Murakami Kanae
about.
私は日本に存在する数百の有人島の一つ、大三島の上浦町に生まれ育ちました。
島の風土や土着観念の中で、私たちは生き物として人として個でありながらも、
島の構成要素の一つである、という感覚がありました。
そのような存在として、脈々と受け継がれてきた時代の先頭の、いま自身の身体を通過したものたちを
自身の了解を以って描き、史実では捉えきれない「島の姿」を掬い取ること。
それが語り部としての役割を果たし、漂流しながら各地各世代に散らばる同朋へ届くこと、
世代をつなぐ要素の一つとなることを目指しています。
作品は、島を歩き、遊び、祭りに出るような生活で得る自身の身体の了解の集積が、
" いつかあった・ある(かもしれない)"島の記憶の集合としてあらわれたものです。